Tales of Verifier

テストエンジニアが自分の将来に不具合が起こらないことを確かめ合うRPG

そろそろ仕事に悩んできた新人エンジニアに勧める非技術書6冊

自分も新入社員を経て2年めを経て3年めになり、仕事で悩むことも沢山あった。むしろ常に悩んでるので常に心配されてる気がする。。
そんな悩みには「良い(=必要な、成長のきっかけとなる)悩み」と「悪い(=不要な、害になる)悩み」の2種類がある。
常に悩みがつきまとうのであれば、できるだけ悪い悩みを持たず良い悩みだけを持つようにしないと。
そんなわけで、新人エンジニアが悩んだときに読むと良いと思う本を6冊ほど選んでみた。
技術的な悩みは技術書を読むなり人に聞くなりで解決できるので、今回は非技術書限定。
小難しい本は無いので、通勤中や昼休みに読むのにも良い。
ここに挙げた本を読んで、悪い悩みから解放されたり、良い悩みの解決に役立ったりすると、嬉しい。


紹介フォーマットは以下。

  • 悩みの種類
  • 本の情報
  • 紹介文
  • 本から引用

仕事、楽しくないなぁと思ったら

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

ド定番の『仕事は楽しいかね?』を推す。
主人公の「私」が、空港で出会った老人「マックス」の話を聞いて、だんだんと考え方が変化していく、というお話。
この「語り手が悩んでグチグチ言ってて、相手の話を聞いているうちに考えが変わってきてサクセス!!」という流れはよくあって、こちらもド定番の夢をかなえるゾウや、最近流行りの嫌われる勇気なんかもそう。
悪い意味で現実主義・理屈っぽい人は主人公に自己を投影しやすく、また主人公が作中で抱くのと同じ疑問を持ちやすいだろうから、オススメ。
マイナス気分をゼロ、うまくいけばプラスに持っていける本。

ここがオススメ

試してみることに、失敗はない

勉強したいことが多くて悩んだら

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)

社会人になると、周囲から要求されることが一気に増える。
今まで使ったことのない言語でプログラムを作らなければいけなかったり、技術屋でもマネジメントを学ぶ必要が出たり。
やる気のある人間ほど、学ばなければいけないことが降ってくるたびに積極的に勉強を始める。
その結果、手を付けてはいるけれども完遂していないものがどんどん増える。そして真面目ゆえに、中途半端な現状に思い悩む。
そんなとき、エンジニアとしての学び方の支えになってくれるのがこのつまみ食い勉強法。
一言で要約すると「対象を変えつつでもいい、学びそのものを止めるな」ということ。

ここがオススメ

勉強がうまくいかなくても悩む必要はない

エンジニアとしての力量に悩んだら

プログラマー”まだまだ”現役続行 (技評SE選書)

プログラマー”まだまだ”現役続行 (技評SE選書)

プログラマー”まだまだ”現役続行、を新人に勧める。早いかもしれないけど、3年めの自分が読んで「1年めに読みたかった」と思ったので敢えて。
本のタイトルは「プログラマー」だけど、広く「エンジニア」にしても通用する内容。
年齢だけ上がっていって全然ダメなエンジニアも世の中にはいるらしいので、そうならずに、力を付けていくための方法が書いてある。自分の力不足に悩んだときは、「歳上なのに全然だめなやつもいるじゃん。自分の現状のほうが大分ましだし、これからもっと伸びてやる!」と思うことも必要だと思う。*1
35定年説を覆して、ずっとエンジニアとして生きていきたい君に。

ここがオススメ

ソフトウェア業界でプロフェッショナルとして活躍していくには、新卒で就職してから最初の1年が重要です。

キャリアパス・将来について悩んだら

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

漠然とやりたいことはあるけれど、今やっていることとは違う・・・。
そう思ったときに読んでほしいのがこれ。
ネットで学ぶことや教育等々について書かれた対談本なんだけれども、色々と得るものが多い。
中では「すぐ辞める若者」といったトピックにも言及されていて、齋藤孝氏は「与えられた仕事とやりたいことのギャップ」まわりの悩みを「寒中水泳」にたとえている。つまり、「顔を出しているうちは冷たくて出たいが、むしろ一度潜ってしまったほうが楽」だということ。
これで潜れる人は潜ればよし。もし「そうは言っても嫌なものは嫌だよ」というときは、以下の引用文を参考にして動いてみよう。

ここがオススメ

たとえば、新卒で入りました、ある営業の部署に配属されました、そこでだめだったら辞めます、というのは短絡的ですよね。その会社には多様性と広がりがあって、やる気があって「違う部署で、こういうことをやりたい」と言うと、通る会社が多いと思うんですよ。与えられたものに対して、従順すぎます。
「どうして、そこに行きたいって言わないの、君。」といつも言うのですが。そういう主張をすると、あんがい通るんですよ。

「頑張ってるのに芽が出ない・・・」と悩んだら

くすぶる力

くすぶる力

くすぶる力、を読もう。
内容としては、「くすぶっている時期の努力は、いつか必ず燃え上がる」ということ。
これだけ聞くとありきたりな内容なんだけども、個人的に気に入っているのがTBSのアナウンサー安住紳一郎氏のくすぶりエピソード。
引用するので、もし頑張ってるのに鳴かず飛ばずだとぐずっているのであれば、安住氏と較べてどうなのかをまず考えてみよう。

ここがオススメ

TBSの人気アナウンサー安住紳一郎さんはテレビ画面で見るとおっとりした印象ですが、私は学生時代の彼を知っています。彼もまたブスブス煙が出ている感じの青年でした。そのくすぶりが今の彼のとんでもないエネルギーになっているように私には見えます。
安住アナが入社して初めての給料で買い込んだのはテレビ。自宅にいくつも並べて全局視聴できるようにしたというのです。
ここまで徹底できるのは、向上心と言えば向上心ですが、そのレベルを超えて、怨念にも似た情念を感じます。

人間関係に悩んだら

人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論

人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論

人間関係本の主張は大体一つで、「他人を変えることはできない、と気づこう」ということ。
この本も主張は同じで、かつわかりやすい例えで書かれているので、オススメ。
人間関係で悩むというのは、他人の行動などを変えようと思ったり、自分が他人に期待していることを達成してもらえなかったりすることが原因。
自分の考え方の裏側というか、今まで気づいていなかった自分の思考プロセスを把握できると、ストレス自体を減らすことが出来るかもしれない。 *2

ここがオススメ

ストレスを感じたら、その背後にある欲求を見つめ直してみましょう。その欲求に素直に対応することができたなら、抱えていたストレスはみるみるうちに小さくなっていくはずです。

まとめ

悩むってのは伸びしろがある証拠なので、必ずしも悪いことじゃないと思う。
でも悩んだときに何かしらの救いがないと潰れてしまう。そして周りに必ずしも救いがあるとは限らない。
そんなときに本を頼ってみるのも悪くない。
技術書どころか新書も何も読まないエンジニアは本当に存在するので、「そういうのに比べたら自分はまともだ、大丈夫」と思うキッカケにするだけでも、読書の意味があるってもんです。

*1:ちょっとブラックな考えだけど・・・

*2:私はまだ修行中の身ですがね