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子供から「なんで本を読まなきゃいけないの?」と聞かれたら読む『読書力』

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読書力

本を読みなさい。
親からそう言われたことのある人は多いはず。
反面、読めとは言われても、その理由について納得する説明が得られた人は少ないのでは。
いいから読めとか、頭が良くなるからよめとか、そういった返事で済ます親も多そう。答えになってないですよね。たぶんそういう親は自分は本読まないくせに子供にだけ読めって言ってる。
それじゃあ説得力がない。

読書は「やったほうがいいこと」でなく「しなければいけないこと」

読書をすることは絶対必要だと、読書力の著者、齋藤孝氏は言う。
本のまえがき、一番最初の文がこれ。

日本ではいつもまにか、本は、「当然読むべき」ものから「別に読まなくてもいい」ものへと変化してしまった。
これも時代の変化が、とおだやかに受け入れてしまう人もいるかもしれないが、私はまったく反対だ。読書はしてもしなくてもいいものではなく、ぜひとも習慣化すべき「技」だと頑固に考えている。

齋藤氏は大量の著書を出し続けている人なので、国民が本を読まなくなると食い扶持の一つが失われるという事情もあるかもしれない。
けども、自分としても読書は必要だと思う。

私にとっての読書

自分にとって読書は、精神安定剤としての役割が非常に大きい。
普段生きてて何かいやなことがあると本屋に行って本を買うし、通勤電車で本を読んだりする。
あまり褒められたやり方じゃないかもしれないけども、「本を読むのはすばらしいことだ」と「本を読まない若者が増えている」という刷り込みをうまく利用して、「本を読んでる自分スゴイ!」と思う材料にしている。
本読んで「自分は大丈夫だ」とおちつくくらいなら、ストレス解消だという名目でラーメン食べまくって太るよりはマシじゃないかと考えている。 *1

齋藤氏の考える「読書をする意味」

自分の話はさておき、読書力の中で齋藤氏が言う読書の意味(目的)とは、自分の中に他者を住まわせること。

読書は、もちろん知性や情感を磨くものでもあるが、同時に、複数の優れた他者を自分の中にすまわせることでもある。
(中略)
生身の人間の価値観を自分の中に取り入れ、自分の幅を広げていく。凝り固まった狭い考えに閉じこもらずに、優れた人間の価値観を様々に受け入れる。そうした作業を地道に続けることで、社会常識から隔絶した孤立的な空想に陥ることを防ぐことができる。

自分はこれを、人生を楽しむため、と読んだ

上で齋藤氏が言っているのは、自分とは違ういろいろな考えを取り込むことによって、人生が楽しく過ごせるようになる、ということなんじゃないかと読んだ。
自分以外の価値観を受け入れない人間として過ごしていても、機会損失が多すぎるし、多分楽しくない。いろんなひとと分かり合えたほうが、楽しい。

もし子供が「なんで本を読まなきゃいけないの?」と聞いてきたら。上で書いた「自分の中に他者を云々・・・」という話をしても多分無駄で。
それよりは
「お父さん(お母さん)はいままでたくさん本を読んできた。だから今こんなに幸せなんだ」と、もう生き方で見せてやるのが一番伝わるんじゃないかと。
そのために、沢山読んで幸せになりましょ。

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)

*1:自我が肥大化しないように注意は必要